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第1部 三章【護りのミサト!】その1 第七話 引いてから考えるのは怠け

Penulis: 彼方
last update Terakhir Diperbarui: 2025-11-09 19:00:00

40.

第七話 引いてから考えるのは怠け

 ミカゲのダマテンは本当に凄かった。そのテンパイをいつ入れたのか全く気配が読めないのである。

 流局になった局も(とりあえず1人テンパイで3000点だな)と思ったのに

パタリ

と、静かにミカゲも手を公開する。(いつ? テンパイのそぶりなど微塵も感じられなかった)恐ろしいまでのステルス技術だ。

 次局以降もミカゲの静かな攻撃が続きジワリジワリと加点されていく。

 気が付けば届かない位置まで離されていた。

「しっかし、ミカゲのテンパイは本当にいつしたのか分からないな。どうやってるんだそれ」

「ほとんどリーチするアナタには関係ないでしょ」

「そんな事ねーよ。僕だってダマくらいやるんだぜ」

「そうかしら。アナタはダマにするくらいなら取らずにすることがほとんどな気がするけど…… まあ、いいわ。気配を消すダマのコツはね。前もって全部考えておくことよ」

「「???」」

「つまり、どれを引いたらリーチして、どれならダマ、どれなら取らず、どれならオリと牌を引く前に全種類決めておくこと。前もって決めているならそれを実行するだけだから迷うことないでしょ。引いたあとで考えるから気配が出るのよ」

「そんな事言われてもなー」

「たった34種+赤3種程度の変化くらい決めておけないわけないでしょ。アナタに出来ないわけがない。怠けなければね」

「グサッ」図星を突かれてトキオは思わず胸をおさえる。

 だがこの『怠けなければ』という一言はトキオだけでなくミサトの心にもグサッときた。

(そうか、引いてから考えるのは『怠け』なんだ、勉強になるな。怠けることは私の最も嫌うこと。精進しなければ)

「ロン」

「ロン」

「チー」「ツモ」

「ツモ」

 その後もミカゲの静かな加点は止まらない。ラスがトキオだったのだけが唯一の救いだった。そして二回戦終了。

 二回戦は無気配で加点し続けたミカゲの半荘――

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